インドを代表する世界遺産といえばタージマハル。
大理石の美しい建物は観光客に大人気ですが、美しいタージマハルが建設された裏側には、とっても悲しい歴史のお話があることをご存知でしょうか?
私がインドに行く前は歴史のことなど知らずに行ったのですが、現地でガイドさんにタージマハルの歴史を聞いて驚き、さらに観光を楽しむことができました。
今日はそんなタージマハルの歴史・実際に私が行って見た感想と見どころ・観光におすすめの時間帯をご紹介します。
Contents
タージマハルが建設された理由とは?
タージマハルはムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが妻ムムターズ・マハルのために造ったお墓です。
シャー・ジャハーンは当時絶大な権力を持っていましたが、愛妻家としても知られていたそうで、妻のムムターズはなんと14人もの子どもを出産したそうです。
しかし妻ムムターズは出産がきっかけでこの世を去ってしまいます。
そして、シャー・ジャハーンが妻のお墓として建設したのがタージ・マハルです。
タージマハルは、シャー・ジャハーンの妻への愛の証として、こだわりぬいて建設され、完成するまでには20年以上の年月がかかり、巨額の費用と職人が投入されたそうです。
タージマハルのような立派なお墓を妻のために建設するなんて、とてもロマンチックですね。
タージマハル完成後の切なすぎる物語とは?
タージマハルは建設された理由もロマンチックですが、完成した後にも切なすぎるエピソードがあるんです。
皇帝シャー・ジャハーンはムガル帝国の絶頂期を築き、絶大な権力とともにタージ・マハルを完成させました。
そしてタージマハルを完成させた後、今度は自分が将来入るお墓をタージ・マハルの隣に建設しようと試みます。
シャー・ジャハーンのお墓は黒色のタージマハルをイメージしていたそうです。
ですがシャー・ジャハーンは晩年、自分の子供たちによる皇位継承争いに巻き込まれてしまいます。
なんと自分の息子によってタージマハル近くにあるアグラ城に幽閉されてしまいます。
アグラ城にも観光で訪れましたが、本当にタージマハルが小さく見える距離でした・・・。
黒色のタージマハルは結局建設されず、シャー・ジャハーンは幽閉されたアグラ城でタージマハルを眺めながら寂しい晩年を送ったそうです。
タージマハルを建設するほど愛した妻との間に生まれた息子によって幽閉されてしまい、タージマハルを眺めるだけになってしまった人生・・・本当に切ないです。
タージ・マハルの見どころと実際に見た感想
大理石と宝石の象嵌細工
タージ・マハルは最大の見どころは、白い大理石と大理石に埋め込まれた様々な宝石です。
真っ白い大理石は実物をみると自然光に照らされて光り、神々しさを感じます。
写真で見るのと生で見るのとはやっぱり違うというのは、タージマハルを見た時に最も強く感じました。
下の写真のお花のような模様の部分は赤色や黄色などの色がついているのですが、これらはペイントで着色したものではなく、宝石を埋め込んでいるんです。
このような細工がタージマハルのあらゆるところでふんだんに使われていました。

インド産の大理石、アジア・中東各地から集めてきた宝石を使用しているそうでスケールの大きさを感じます。
この技法は「象嵌細工」と呼ばれていて、タージマハル周辺のお土産屋さんでは象嵌細工の小物がたくさん売られています。
象嵌細工のお土産についてはこちらの記事をどうぞ。

イスラム建築特有のシンメトリーのデザイン
タージマハルはイスラム建築をベースにデザインされています。
イスラム建築の特徴が
- 建物や敷地がシンメトリーであること
- 建物の周囲に噴水や庭園が整えられていること
だそうなので、タージマハルもその特徴に倣っているんですね。
ちなみに、タージマハルのモデルとなったと言われる建築物がフマユーン廟という世界遺産。
フマユーン廟とタージマハルは建物の形がそっくりなのですが、造られたエピソードも似ています。この2つの世界遺産を詳しく比較した記事はこちらをどうぞ。

観光におすすめの時間帯は?
タージマハルは訪れる時間帯や天気によって印象が全く違うと言われています。
その理由は、白い大理石が太陽の光に照らされて輝く具合が変わってくるからです。
ガイドさんにおすすめされた時間帯は、
- 晴れた日の午前中
- 夕焼けが綺麗な夕方の時間帯
このどちらかの条件で見ると、最も綺麗にタージマハルが見られます。
晴れていれば太陽が大理石に反射して、さらに光り輝いて見えるし、夕焼けに照らされるとタージマハルがオレンジ色に染まり、日中とはまた違った美しさがあるそうです。
ちなみに私がタージマハルを訪れたのは下の写真で見ると分かるとおり、曇りの午前中。今にも雨が降り出しそうな天気で完全に曇っていました。
晴れていればもっと綺麗なタージマハルが見られたのに!と少し残念ではありましたが、これでも実物を見ると十分に迫力があり神々しさもありました。
なので、できるだけ晴れた日に見に行ければベストだけど、曇っている天気でも十分に楽しむことはできますよ!
※タージマハルのあるアグラの街は暑い気候で有名です。午後はかなり暑くなるのでお勧めしません。
タージ・マハルの敷地内は日陰が少ないので注意しましょう。